その小さな手に、いっぱいのしあわせを

著者:調彩雨

そこで、あたしは、とても惨めな女だった。
どんな華やかな服を着ても。最上級の教育を受けても。極上の暮らしをしていても。
たぶん、あたしは、生まれる場所を間違ったんだ。

婚約を破棄され、辺境の修道院へと送られた少女。
けれど馬車を降ろされたその場所に、修道院など存在しなかった。
途方に暮れた少女に、手をさしのべたのは宿屋のおかみ。
少女は宿屋の従業員として、住み込みで働くことになる。
血の繋がらない少女を、おかみは我が子のように大切にしてくれて。

貴族令嬢ヘンリエッタが、宿屋のリッタになるお話。

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