別荘に捨てられた (その後のアマリリスとアイズの話を追加しました)

 「忌々しい子ね、貴女。少し離れて暮らしましょうよ」
 「ああ、それは良いな」
 「……………」
 「アマリリスお姉さま、お元気で」

一言も発しないうちに、私は田舎の別荘に行くことが決まった。最早気持ちも動かず、ただ応じるだけだ。

何を言っても覆ることがないのは、知りすぎている。

珍しいことではないが、私は前妻の子で疎まれる存在。

生家の男爵家はわりと裕福で、平民であった後妻フャルルは結婚後贅沢し放題だった。

父が何も言わないので、仕方なく私が苦言を呈すれば
「子供の癖に、何もわかっていない癖に」等と苛立たしい様子で言い返されていた。

それでも次期当主の私。

負けずに改善を求めていたのだが、どうやら父にも裏切られてしまったようだ。後妻の賛同に回ったのだから。

フャルルの子『アイズ』は、父マックの実子だ。

父は異母妹のアイズに、この家を継がせようとしているのだろう。

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