【短編】「夫婦にはなれないけど、家族にはなれると思っていた」

婚約者が男爵令嬢のミア・ナウマンの魅了魔法にかかり、浮気した。

婚約者は学園の進級パーティで私に冤罪をかけ、
「お前のような卑劣な女とは結婚できない! お前との婚約を破棄する!」
と宣言した。

そんな婚約者に世間は同情的だった。

「魅了魔法にかかっていたのだから仕方ない」と……。

裏切られた方にとっては、普通の浮気も、魅了魔法にかかってした浮気も変わらない、浮気は浮気だ。

私には婚約者への恋心は残っていない。

だけど幼馴染としての情は残っている。

情さえあれば夫婦にはなれなくても、家族にはなれると思っていた。

だから私は許そうと思っていた。

婚約者が誠心誠意謝ってくれるなら……。

だが婚約者は謝罪するどころか、
「ミアの実家のナウマン男爵家が取り潰され、ミアは娼館に売られることになった。
僕はミアを身請けし、ミアの家族の面倒をみたいと思っている。
地味でなんの取り柄のないお前と結婚してやるから、ミアとその家族を養うことを許可しろ」と言ってきた。

その瞬間私の中で何かが壊れた。

他サイトにも投稿予定。

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