王命により第二王子の婚約者に選ばれた、宮廷魔術師アルジーベ公爵の次女グレイシア。しかし第二王子は、生まれつきゲーミングカラーに全身が発光している偏屈な引きこもりで、これまで数多の令嬢を追い返してきた厄介者だ。
今回も挨拶に来たグレイシアに、第二王子は刺々しい言葉を向けた。
「今なら僕の方から婚約解消ってことにしてあげられるけど? 君を愛することはないし、君は気にすることもない。解消したいだろ?」
「いいえ」
「ん、わかった。じゃあ手続きはこっちでやっておくから帰っていいよーーって、えええ!?」
「私あまり頭がよくないもので、多分これ以上考えても結論は変わりません。殿下がお嫌でなければ、このまま末永くよろしくお願いしたい所存です」
「わ、わかったよ……じゃあこれからもよろしく」
グレイシアは銀髪灰瞳で目立たず、おっとり物静かな令嬢だった。
ーー黙って座ってさえいればの話だが。
◇◇◇
生まれつきのゲーミングカラーで居場所のなかったツンデレ白豚王子と、令嬢としてはポンコツで赤点のグレイシア。そんな二人が互いを好きになって、お互いのために成長して幸せになる話です。
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