「ずっと一緒にいたいな」
「うん。一緒にいようね」
それは、花びらの舞う中で交わされた幼い約束。
あれから十年の時が経った。
「レイチェル・キングスリー公爵令嬢。お前との婚約を破棄する」
学園での卒業パーティーの中、壇上から言い渡された王子の言葉は、レイチェルに衝撃を与える。
「そして、罪の無い令嬢を虐め、挙句、殺害しようとした罰として、国外追放を命ずる」
憎々しげな表情の王子に、レイチェルは内心の動揺を抑えて淑女の笑みを返す。
彼女の胸にあるのは、幼い頃の思い出だった。
※2023/2/23 日間異世界〔恋愛〕ランキング1位、日間総合ランキング1位達成しました。
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