「俺、ずっと『レベルアップ』で貢献してきたんだけどな……まあ、あいつらも十分強くなったもんな」
幼い頃からずっと一緒にやってきたパーティから、突如追放を宣言されたレイズ。あまりに冷たい別れ話に愕然としながらも受け入れたレイズの元に残されたのはボロい装備と金貨一枚だった。
他人の強さを底上げするスキル『レベルアップ』を持っていたレイズにはそれでも金が必要だった。それは、将来子供達を育てる学校を建てるためだ。
だから、ともう裏切られないよう自分がリーダーとなってパーティを一から作り直す事を決意する。そのためにまずは剣闘士見習いを身請けすることに。
「まずはこの子を精一杯育成しよう。冒険と育成が一緒にできて一石二鳥だ」
一方、レイズを失ったパーティは国公認で魔大陸という場所へ冒険に出るも、ちっとも力が身に付かず困り果てていた。国が認めたのには成長速度という要素もあったために、どんどん立場は追いやられていってしまう。
さらに、これまで負けたことが無かったのは、レイズのもう一つの力『レベルドレイン』で強敵を弱体化させていたのだった。
やっぱりレイズは必要な存在だった……そう気付いた時にはもう遅い。
その時、レイズは今度こそ自分を慕ってくれるパーティメンバーを集めており、『レベルアップ』を駆使して最強のパーティを築き上げていたのだった。
これは、努力した者が必ず報われる物語。積み重ねた努力が経験値として見える魔眼を持ち、その成長を促すレイズは、やがて最強のパーティリーダーへ至る――。
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