君と編む夏色の記憶 ~この夏を〝正解〟にする為に~

「だから私……空、飛んでみるね?」
五年ぶりに再会した銀髪クォーターの少女・月宮絃羽はそう言って、海へと身を投げ出した。この瞬間、悠真が思い描いていた夏休みは終わりを告げた。
大学四年の夏、失恋と自らへの失望で前に進めなくなってしまった宮田悠真。楽しかった想い出に救いを求めて五年ぶりに叔母の家を訪れたが、そこで待っていたのは波乱だった。
絃羽の両親は失踪しており、彼女は悠真の叔母に引き取られて過ごしていた。加えて、五年前は仲良し三人組だった少年少女達の関係性は変わってしまい、絃羽だけが孤立していた。
「お前を一人にはしない」
全てを諦め、寂寥感に満ちて孤独に生きる絃羽を笑わせたい──自らを救うつもりだった夏休みは、彼女を救う為の夏休みへと変わっていた。
間違い続けてきたこれまでの人生を〝正解〟にする為に、2人は夏を精一杯生きる。後悔を抱える2人が互いを救い合う、究極の純愛物語。

レビュー