もうすぐ消えるこの恋を、あの花火は静かに見ていた。

 三ヶ月前に児童養護施設を退所したばかりの、大学一年生の佐藤風雅は、新たに生活環境が変わったことや、仲の良かった入所仲間とはもう話せなくなったことで、投げやりになりながら東京の自宅で生活を送っていた。
 そんなとき、ふと、小学生のころ、理由と転居先を隠して転向してしまった少女、白鷺美雪のことを思い出す。
 勇気を出して白鷺美雪に連絡を取った風雅は、彼女に誘われたことがきっかけとなり、彼女の暮らす大田舎に、短期間のみ住まうことになる。
 だが、彼女と暮らしていく中で風雅は、彼女を待つ運命と、受け入れ難い現実に直面することになる。

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