パーティリーダーから「田舎に帰れよ」と言われたのでホントに帰ってみた

著者:陸奥由寛

ニールはパーティ唯一の支援職だ。
 そんな彼は回復、荷物持ち、支援魔法、その他諸々を一手に引き受けていたせいで、過労からミスを起こしてしまう。
 その夜、彼はリーダーに呼び出され、ミスの原因を追求される。
 追求と言っても、ほとんど叱責のような物で「俺がしっかりしてなかったからです」以外の返答は許されない。
「もうお前さ、冒険者なんてやめて田舎帰ったら?」
 叱責の途中、リーダーからそんな事を言われ、とうとう彼はブチ切れた。
「あ、いいの? じゃあ帰るわ」
 一人で二人分以上の仕事をしていた彼は遠慮なくパーティを抜け、田舎へ帰る事にした。
 そう、彼は必要とされていないここよりも、彼の帰りを待っている場所を選んだのだ。
 素直じゃないが、ニールの事が大好きな若き領主「エレン」
 幼い頃から彼女の世話をして、ニールの親代わりでもある不老不死のメイド「ユナ」
「ニール、私を膝の上にのせる事を許可します。適宜頭を撫でたり愛でたりしなさい」
「はいはい」
「お嬢様、お疲れ様です。チョコレートをどうぞ……ほら、ニールもお飲みなさい」
「ありがとう母さ……ユナ」
 そういう訳で、彼は彼女たちの仕事を手伝いながら、悠々自適の田舎暮らしを始める。…続きを読む

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