ダンジョン・ファーム ~家を追い出されたので、ダンジョンに農場をつくって暮らそうと思います~

著者:鈴木竜一

 聖騎士の家系に生まれた少年ベイルは、神からアイテムを授かる《進呈の儀》において、くたびれた木製の剣を与えられてしまう。どう見ても役に立ちそうにないアイテムを授かったことで、ベイルは周囲から笑いものにされ、それに激高した父親から家の恥さらしだと罵られ、挙句の果てには英雄の証とされる神剣を与えられた従弟のディルクに立場を奪われる形となり、家から追い出されてしまう。
 ――だが、ベイルはその状況をむしろ喜んでいた。
 なぜなら、ここはかつて自分が遊び尽くしたブラウザゲームの世界であり、みんなからバカにされたこの《竜樹の剣》さえあれば楽しい生活を送れるということを知っていたのだ。
 ベイルは聖騎士一族という堅苦しい肩書を捨て去り、前世のゲーム知識を生かして農夫として自由に生きようと決意。竜樹の剣が持つ力を駆使し、平地ではなく隠し要素であるダンジョンに農場を開き、なぜか増えていく訳ありの少女たちとともに今日も元気に野菜を育ててのんびり暮らす。いつしか大陸にその名を轟かす大商人と専属契約を結んだり、権威ある魔法研究家から一目を置かれたりするが、自由気ままに今日もマイペースな生活を続けていく……はずが、いつの間にか最強騎士の一角として英雄視されるように!?…続きを読む

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