小説家になろう 前世、妻は他の男のために死んだ。今世、生まれ変わった前世の妻は自分の所為で死んだ。解放してやりたかっただけなのに、もう嫌だ、もうたくさんだ。 今でも夢に見る。 迫り来る魔物たちを切っては捨て切っては捨て、魔力は空になり、剣はすでに血と油で切れず、力任せで叩き潰すように魔物を殺している自分。 黒の森から溢れ出てくる魔物たちとの戦いの日々。 少しずつ前線は後退し、森境の町をひとつ捨て、荒野に布陣していた。 北の国で黒の森.... 著者 : 千東風子 2021.10.09 小説家になろう
小説家になろう 前世、婚約者に嫌われ抜いて死んだ私が生まれ変わって彼の側にいるようになるまでの話。 ド・ストライク。 フクフクだったほっぺは見る影もなく、真一文字に結ばれた唇。表情筋が活動を放棄した顔。 キラキラ輝いていた瞳は、遠目でも分かるほど陰を帯びている。 戦う男としては細い部類だろうが、猫科のようなしなやかさを連想させる身体。 馬の背で背筋を伸ばし、まっすぐと前だけを見つめ、.... 著者 : 千東風子 2021.10.08 小説家になろう
小説家になろう 前世、婚約者のために死んだ私に婚約者が言った最後の言葉は「愛しているのはお前じゃない」でした。 まあ、そういうことがありまして。 え、わかんない? そりゃそうですよね。 とりあえず、私も自分の気持ちを整理したいので、ちょっと聞いてくれます? 向かいに座ったのも何かの縁でしょうし? 私には前世の記憶がありまして……あら、あまり驚かないのですね? 珍しくもないのですか? あなたの国.... 著者 : 千東風子 2020.11.06 小説家になろう