悪役退屈令嬢。~武闘派悪役令嬢に転生した結果、時代劇ヒーロー風になってしまいました~

「この『天下ご免』の向こう傷! プレヴァルゴ家の退屈令嬢とはわたくしのことですわ!!」

 今日もまた、高笑いとともに王都に響く声。
 巷で評判の、弱きを助け強きを挫く、「退屈ですわ」が口癖の伯爵令嬢、メルツェデス・フォン・プレヴァルゴ。
 国内で法律にも不文律にも縛られない『天下ご免』を国王から許された彼女は、その振る舞いから王都の名物となり、庶民から愛されていた。
 だが、その裏で一人誰にも言えず抱えている悩み。

 彼女には、前世の記憶があった。
 それによれば、この世界は乙女ゲーム『エターナル・エレメンツ~光の聖女と精霊の騎士~』の世界。もしくは、それに類似した世界。
 そこに出てくるメルツェデスは、『高笑いバーサーカー』とあだ名を付けられる程の武闘派悪役令嬢。
 実際、記憶の戻った十歳の時点で既に、突出した剣の腕を身につけているほどだった。

 このまま行けば、将来的には破滅フラグ一直線、血まみれになりながら追っ手をバッタバッタと斬り伏せ、最後は高笑いをしながら討ち取られるという壮絶な最期を遂げることになってしまう!
 そんな危機感を覚えたメルツェデスは、何とか運命を回避しようと奔走する。

 果たして彼女は、迫り来る運命から逃れることができるのか。
 そしてその先に待つ未来はどんなものなのか。
 少なくとも血塗れエンドだけは避けたい! と切に願いながら、彼女は今日も奮闘する。

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