戦場のスカウトマン

1章終了まで、毎日 19:00更新

モスタテール大陸北東部エスフェラ地方。
300年近く戦争の二文字が消えることのなかったこの地域に、もう間もなく平和の二文字が飾られようとしている。
その終戦に大きく貢献する一つの騎士団があった。
『空駆ける平和の歌(サマーククレパクスカネレ)騎士団』。

二年前に小さな傭兵団から始まったこの騎士団は、いまでは大陸最強の騎士団と呼ばれるまでになる。
国の命運を懸けた最終決戦が行われると予測されていた日の前夜。彼らは彼らの本拠地デスプレシオの街の酒場にいた。
決戦を前にし、なぜ前線にいないのか?
情報紙発行人ディレット・パシオンは、突撃取材を敢行する。
団長との接触に成功するも、話をはぐらかされた彼は、方針を変え騎士団の強さの秘密に迫ろうとした。
ディレットは、騎士団の強さを支えていると思われた三人から、思いもかけず騎士団の強さを支えているのは彼だと、一人の男の名前を聞くこととなる。
その男の名は……。

この物語の主人公は、真面目で責任感のある、統率力に溢れるような人物ではありません。
イケメンで知性に溢れるような人物でもありません。
また、明るく元気いっぱいな、将来性豊かな少年でもありません。

初老にさしかかり、人の役に立つこともできない、少し皮肉屋なおっさんです。
でも、人の命を、人の心を、大切だと思うことができる、そんなおっさんです。

レビュー