ここは、地球ではない世界。
この世界に降り立つ人々が現れて百年。
世界は、異世界からやって来る者たちで溢れていた。
この世界の人々は彼らを「異世界人」、自らを「現世人」と呼んだ。
ある時から異世界人達は虐げられる様になり、奴隷にされ、戦争の道具として使われる事となる。
さらに時が経ち……奴隷を使って戦争をする五つの大国から逃げ延びた異世界人達は、力を合わせる様になった。
そして現在。異世界人達は現世人に対し、反旗を翻さんとしていた。
これは、世に溢れる異世界物語の闇。
「この世界は、いわば蠱毒の壺だ」
「自分が、異世界人が……特別な存在だとでも思っているのか!」
政無き愚かなこの世界を、異世界人は嗤う。
蠱毒の壺と化した世界で、現世人は足掻く。
正義はどちらにあるのか。
審判は誰に下されるのか。
ただ一つ言えること、それはこの物語が――
「……この世界を、頼んだぞ」
――破滅の物語であるという事。
レビュー