聖女の私を殺した国なんて、もう知りません

著者:摩莉花

モンドール王国の聖女・エステルは、何故か治癒魔法が使えない。そのため、彼女が聖女であることを疑う者も一部にはいたが、大神官のフランシスコが認定したため、誰も異を唱えることはしなかった。五歳で聖女として見い出されたエステルは両親から引き離されて神殿に引き取られ、魔獣除けの結界を張り、国の安寧と大地の豊穣を祈る日々を送り、十歳のときには、二つ年上の王太子の婚約者にもなった。けれども十六歳のとき、高齢だった大神官が亡くなり、彼女の資質を疑う神官があとを継いだことと、その神官によって治癒魔法が使える少女が見つかったことで、エステルは偽聖女として処刑されることになった。それは神々の怒りをかい、裁定が下されることになる。

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