侯爵令嬢アリアレインの追放

「アリアレイン、そなたを追放刑に処す!」

 ひとりの侯爵令嬢が、王太子に追放を宣告された。

「なぜあっさりと受け入れられたのですか」

 それに憤る者。

「――は?」

 驚く者。

「姉様、本気なの?」

 疑問を抱く者。

「お願いでございます殿下、どうかお考え直しください!」

 慈悲を願う者。

「教会から王太子殿下に取りなすこともできます、ハーゼン様」

 助力を申し出る者。

「――侯爵閣下によろしくお伝えください」

 見送る者。

「つまり皆々安泰、万事めでたし、ということでしょうな」

 喜ぶ者。

 追放の事実を聞いた者の反応は様々だ。

「行きましょう」

 しかし、交錯する思惑をよそに、侯爵令嬢は揺るがない。
 そして彼女が放った一手は――

「まことに、かの侯爵令嬢の周到さには驚かされるばかりよな」
「しばらく王太子の命令もなにも届きますまい」
「――どういう、ことなのだ?」

 ――王国そのものを揺るがした。

 追放を宣告された侯爵令嬢の逆襲が、始まる。

※本作は「カクヨム」様にも並行して投稿・連載しております。

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