私を愛することはない?……でしょうね、だってあなた、愛情なんて知らないですものね。

 戴冠式を終えた日の夜、私と国王となった婚約者のラウルは、二人でともに時間を過ごしていた。

 まだ成人もしていない私がこんな遅い時間にラウルとともにいるのは、特別な日だからと父に配慮を受けたからである。

 だからこそ私は、彼の今日の素晴らしい立ち回りをほめたたえたり、これからの生活について応援をしようと考えていたのだが、何やら機嫌が悪そうにラウルは「結婚をしても君を愛することは無い」と口にするのだった。

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