レベル596の鍛冶見習い ~ちなみに勇者さんは、レベル54で、獣の森をようやく踏破したところだそうです~

著者:寺尾友希

オイラはノア。
十四歳の犬の獣人で、鍛冶見習いだ。
オイラの父ちゃんは、「神の鍛冶士」「竜王の鍛冶士」と大層な二つ名を持つものの、鍛冶以外は生活力皆無のダメ人間。そんなダメダメな父ちゃんに言われて、鉱石や鍛冶素材を集めに奔走していたオイラは、気が付けばレベル596になっていた。
無自覚に出入りしていた危険地帯の魔獣に追われ続けたせいで、逃げ足だけは超ー速くなり、竜から妖精まで、人外の友だちもたくさん出来た。
そんなある日、オイラの自己流の鍛冶をたまたま見た父ちゃんが、ぷるぷると震えて叫んだ。
「なんだ、その、スキルと素材の無駄遣いはぁぁぁっっっっ!?
金属が泣いてるっ、素材集めなんぞ行かなくていい、きっちりがっちり鍛冶修行だ!
俺が根本から鍛え直してやるっ」
半年間みっちり鍛冶修行をさせられたオイラは、とうとう父ちゃんから、「合格」のひとことをもらい、自分の鍛えた武器を売っていい許可をもらった。
手始めに、ご近所さんと親戚のジェルおじさんに、オイラの打った農具や武具をもらってもらおうと出かけたオイラだったけれど……
あれ?ジェルおじさんが働いてるのって、お城だったよね?
お城って広すぎて、ジェルおじさんがどこにいるのか分かんない!?
とりあえず探そうとお城の中に入ったオイラは、奥のほうでジェルおじさんを発見する。
「なんでノアがここにいる!?」
「え、いや普通に走って」
「途中の何か所か騎士が何人も門番をしてなかったか?」
「あ、あれ、避けたよ? オイラに気づいてもなかったし」
「避けた!? 気付いてない!? 国の精鋭たちだぞ!?」

無自覚な最強鍛冶見習い、ノアのちょっと間の抜けた冒険譚。
サクサク気軽に読めるお話にするつもりです。

この作品はamazonで購入出来ます

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー