わたくしの幸せは、今ここに

著者:真弓りの

「我が皇家の忠実なる家臣、浅羽家の桜花姫よ、急な話ではあるが隣国、世那へ嫁いでくれ」

感情を感じさせない平坦な声が、わたくしの頭上に降ってくる。

深く頭を垂れたわたくしには見えないけれど、きっと皇様のお顔もこの声のようになんの感情も宿してはいないのだろう。

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思いを寄せるあの方に告げられたのは、隣国へ稼せという冷たい言葉。

桜咲き乱れる季節のお話です。

和モノ春花企画参加作品。

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