推しの幸せのためならば婚約破棄でも喜んで、私は推しを推しに推す

著者:蛹乃林檎

「ああああぁあああぁぁああああっ‼︎」
 貴族の子息子女が通う学院の中庭で婚約者の王太子とお茶を楽しんでいたフィオナは、突如良家の子女にあるまじき奇声をあげた。急に前世の記憶が蘇り、ここが乙女ゲームの世界で自分が目の前の婚約者に近い将来婚約破棄され、悪女堕ちして修道院送りになると気づいたからだ。破滅は避けたい。がしかし、ゲームを愛し婚約者を推しに推してきた身。回避に努めることなくこのまま悪役に徹し、シナリオ通りヒロインと幸せになってもらおうと決める。しかし、ヒロインは同じく転生者であり婚約者ではない別のキャラを攻略しようとしていた。このままでは推しの幸せが危うい。なんとしてでもヒロインには婚約者を選んでもらわなくては。フィオナはパーティー会場の只中で、手をあげて高らかに宣言する。
「彼の魅力、プレゼンしまーす!」
 推しの幸せの為に奮闘する悪役令嬢の幸せのお話。

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー