偽物の精霊姫は愛されない……はずだった。

著者:池中織奈

「……私は、この家の娘ではなかったんだ」
私、エミイルダ・フォリダーは、フォリダー公爵家の娘である。と思い込んでいた。だけれど十歳のある日、精霊視の力が覚醒し、精霊によって自分が入れ替えられた娘であることを知った。その衝撃で前世の記憶も思い出し、この世界が『精霊姫の恋』という小説の世界であることを思い出した。

『精霊姫の恋』の中で、エミイルダは偽物の精霊姫。物語のはじめ頃に公爵邸から去っていく愛されない存在。……だったはずなのだけど。

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