そして、誰もいなくなった

著者:杜野秋人

【累計15万PV達成御礼】
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」

愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、動揺した彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。

「触るな!」

だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。

「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」

騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。

そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。

これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。

◆全8回。おかげさまで完結しました。
アルファポリスでも公開しています。あちらでは話数がおよそ倍、14話構成になっています。

◆拙作『落第冒険者“薬草殺し”は人の縁で成り上がる』『わたくしの望みはただひとつ!』と同じ世界の違う国の物語ですが、両作品とは直接関係はなく単独でお読み頂けます。

◆一言一句同じタイトルの作品があることを発見したため、タイトルを少し修正しました。

◆3/30 ヒューマンドラマランキング日間1位!読んでくださる皆様のおかげです!ありがとうございます!

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