ネクロマンサーのネロは戦闘の役に立たないからと、リーダーにして勇者のギブツから追放を言い渡される。
本当は「勇者が思い寄せる聖女と仲良くしている」という理不尽な理由であったのだが。
さらに、最高位冒険者の権限によって冒険者ライセンスを剥奪、財産も全没収されてしまった。
「俺がいなくなったら、おまえらに力を与えてる勇者の遺物がボロ屑同然になって、困ることになるぞ?」
実はギブツたちは、かつて存在した英雄である勇者の遺物を使ってるから強かった。
遺物に宿る英雄の魂を、死者と交信できるネロが鎮めてたおかげで、勇者の力を得ていただけだったのだ。
「そんなわけあるか! おれたちが強いのはおれたちの実力だ! 英雄の魂なんて関係ない! さっさとでてけ!」
ネロがパーティを抜けたことで、勇者の魂たちはギブツたちに力を貸す理由がなくなった。
勇者の遺物は宣言通りボロ屑となって、ギブツたちは大幅に弱体化。
『ネロ、おれたちを鎮めてくれてありがとう。お礼におれたちいにしえの勇者の魂を分け与えよう』
死者の魂を吸収し、強くなれるネクロマンサーのネロは、いにしえの勇者の魂を得て超進化。
かつて存在した英雄たちの力を手に入れたネロは、世界最強のオールラウンダーとなって、新天地へと旅立つ。
一方、ネロという最大戦力を失ったことに気づかないギブツ・パーティーは弱体の一途をたどっていき、やがて落ちぶれながら空中分解をしていくことになる。
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