悪役令嬢は凱旋する

気がつくと小説の中の悪役令嬢、リーゼロッテ・ヘンレッティに転生していた私。
婚約破棄済み、追放済み、自棄になって魔法を使える奴隷を買っている真っ最中だった。

「なんで私は奴隷を買っているの……!」

追放数年後には反乱が起き、首謀者と兵器のやりとりをして投獄の末路を迎えるというのがリーゼロッテのストーリーだ。
奴隷なんか買ってる場合じゃない。
兵器って一体なんなの!?
頭を抱える私は、とりあえず買ってしまった奴隷の少年を使用人として雇うことにした。
魔法が使えるなら与えられる仕事も多いはず。
そんな思いでどんな魔法が使えるのかと尋ねたら、私の部屋の壁が吹っ飛んだ。

「これしかできないけど?」

あぁ、兵器ってこの子かもしれない。
私は最悪の展開を免れるためにツンデレな少年をそばに置き、彼のことを知ることにした。

秋月忍さま主催
『男女主従祭』企画参加作品です。

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