婚約破棄の小説ばかり読んでいたら、なぜか婚約者から溺愛されるようになりました。

著者:断罪天

「何を読んでいるんだい、クリスティーナ」

「婚約破棄を題材とした小説ですね。今後の(執筆活動の)ために勉強をしてるんです」

「!?」

その時代、貴族令嬢たちの間では恋愛小説を書くことがブームになっていた。公爵令嬢クリスティーナも、その流行に乗っかって恋愛小説を執筆している淑女の一人だ。聡明な彼女が執筆しようとしているのは、貴族だけでなく庶民たちにも大人気の婚約破棄ジャンル。売上ランキング上位に食い込むために、沢山の婚約破棄小説を彼女は読んでいた。
ある日、婚約者の王子にそのことを伝えると、何故か彼はショックを受け、態度を豹変させる。そして、その日から王子による熱烈な求愛が始まったのである。

「逃がさないよクリスティーナ。僕は君との婚約を解消させるつもりはないからね」

「……? そうですか。ところで殿下、この婚約破棄小説は(次回作の)参考になると思いませんか? 婚約者が浮気して破滅する『ざまぁ系』の物語なのですが」

「……話を聞いてなかったのかな? 婚約破棄をする気はないんだよ」

ヒロインの言葉を勘違いしたヒーローによる溺愛ストーリー。
当然の如くハッピーエンドです。

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