結婚の約束をしていた幼馴染が神託の勇者だと判明したので彼との結婚は諦めることにしました。

魔王が復活したせいで世界には徐々に暗雲が立ち込めている――なんて話は、辺境の農村には全然届かなかった。いつもと同じ繰り返しの毎日を過ごしていた農民のアーシェと幼馴染のカインは結婚の約束をしていた。このまま繰り返しを繰り返し、いつかは結ばれて子供をつくり、子どもたちと畑を耕すのだと思っていた。
しかしある日、王国の使者たちがやってきてカインを「神託の勇者である」と告げる。カインは魔王退治の旅へ出ることになる。もちろんアーシェと結婚などできないだろう。
だから、アーシェは村へやって来た使者に挙手してみせるのだった。

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