当て馬キャラ推しの私は、当て馬になってしまった侯爵令息を全力で慰めます!

著者:間咲正樹

貴族学園のとある放課後。
侯爵令息のレスター様が、男爵令嬢のクレアさんにプロポーズする現場を偶然目撃してしまった私。
だがそこに、「ちょっと待ったぁ!!」と怒鳴り声を上げて乱入してきた男性が――。
それは公爵令息にして我が学園の生徒会長でもある、通称『暴君』ブラッド様。
ブラッド様もクレアさんのことが好きで、所謂三角関係だったのだ。
その場で自分もクレアさんにプロポーズするブラッド様。
そしてクレアさんに選ばれたのは――ブラッド様だった。
一人残されたレスター様は、天を仰ぎながら声を押し殺して泣いた。
――私は今にも胸が張り裂けそうだった!!
私はロマンス小説でも、いつも当て馬キャラに感情移入してしまうタイプなの――!!
とはいえ、私に何ができるわけでもない……。
こっそりその場から離れようとした、その時――。
「――!?」
「――! 誰!?」
私が一歩下がった先にたまたま木の枝が落ちていたらしく、それがポキリと小気味いい音を鳴らしたのであった。

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