そういうところですよ、聖女様。

誓言の聖女として人々の怪我や病気を治しているノエル。
小さな頃から聖女として生きてきて、娯楽や外の世界との接触を制限されたノエルの楽しみは、何年も先の聖女の仕事が終わった時を想像する事。
護衛である騎士団長と恋仲になって結婚した聖女も大勢いるがノエルは初恋もまだである。
恋とか諸々分からないけど、初めて出来た友達と遊びに行く約束をした。
そんな未来の話をウキウキと護衛である騎士団長カウフマンに話したところ、

「自由になったらと聖女様は仰った。ですが、それはないのです」

彼は真面目な顔で、そして罪悪感混じりにそう言った。
カウフマンが言うには、騎士団長の仕事には、聖女に好かれるように行動し、結婚する事が入っているらしい。
しかしノエルは思った。

「…………カウフマン様から、好きだなと思える行動を取られた事は、ほとんどないのですが?」

これは恋というものを知らない聖女と、彼女を献身的に支えるちょっと口の悪い騎士団長とその周囲の、なかなか面倒な恋のお話。

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