気がついたら家族離散していました

著者:桜木彩

とある伯爵家のもとに生まれたルイーズの半生は、決して幸福なものではなかった。
母の死。
嘆き悲しむ父の再婚。
義家族からの差別――。
貴族としてはありがちな人生だと諦めていても、悲しみに打ちひしがれる毎日。
そこに持ち掛けられた公爵家からの縁談に、ルイーズは飛びついた。普通の生活が送れるのなら、と。
しかし、それはさらなる悲劇の幕開けだった。

籍を入れた翌日に夫は、隣国へ向けて旅立ってしまったのだ。

ルイーズはひとりになった。
そこから五年間、夫と顔を合わせないままに。

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