Memento Mori~希死念慮冒険者の死に場所探し~

著者:埴輪庭

シロウはブラック企業でメンタルを病んでしまい、毎日死にたい死にたいとおもいながら仕事をしていた。
しかし自殺はできない。怖いからだ。
殺されるのはいいが、自分から死ぬのはおっかない。

それに、日々が辛いからといって自殺して、誰が泣いてくれるのか。
誰が悼んでくれるのか。

モノ扱いされ続けた挙句、「ああ、壊れちゃったんだね」と翌日には忘れられているようなそんな末路はごめんだ。

必要とされたい、しかしどうすれば、何をすれば必要とされるのか、わからない。

そんなことを考え、自殺に踏み切れないシロウだが、ついに過労の余り心臓発作で死んでしまった。

だがシロウは不幸にもあるいは幸いにも異世界に転生してしまう。転生といっていいのだろうか?
シロウの魂はほかの人間の体に飛び込む。

その体はクロウという名前の冒険者のものだった。
クロウは若く才がああった。
しかし不運から依頼中に深手を負い、息絶えてしまった。

そこへシロウが飛び込み、今度はクロウとして生きて行く事になった。

シロウ、いやクロウは最初は混乱したものの、シロウとクロウの記憶が混ぜ合わさり、安定化していくうちに冷静になる。そして思う。

『嗚呼、今世こそは惜しまれ、死にたい』

・・・

かなしいかな、彼の心はブラック労働によりメンブレ(メンタルブレイク)したままであった。


本作はカクヨム、ハーメルンにも掲載しています。
挿絵は若干違う部分もあるかもしれません。
2章からはコメディっぽくなります

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