「君を愛することはない」と旦那様に言われましたが、没落聖女なので当然ですよね。

著者:霜月零

「アリエラ・アールストン。いや、今日からはアリエラ・ファミルトンか。結婚してしまったのだからな。けれど私が君を愛することはない。わかっていることだとは思うが……。君も、私を愛することは決してしないでくれ」

 結婚初日に旦那となった第三王子リヒト様にそんな事を言われてしまうアリエラは没落聖女だ。
 代々聖女を多く輩出してきたアールストン伯爵家だが、年々その数は減少。
 ついにアリエラの代ではたった一人の聖女も出なかったのだ。
 そしてついたあだ名が『没落聖女』
 聖女の家系に生まれながらちょっとした治癒魔法しか使えないアリエラに対しての皮肉である。
 だから、愛されなくとも仕方がないし、王命で強引に進んでしまった結婚なのだから、二人の間には最初から愛などない。
 ないけれど、せっかく夫婦になったのだから、お友達ぐらいにはなりたいと思うのだ。

――これは、没落聖女と嗤われるアリエラが、呪われた第三王子リヒト様と幸せになる話。

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー