多くの子女が集まる貴族学園にはいつも誰かが問題を抱えている。
恋愛、婚約、お金、爵位。
抱えきれなくなった悩みを少しだけ解決に導いてくれる扉があるというのはこの学園の噂。
男爵令嬢のダーナ・モンカードは伯爵家の三男と婚約していたが、商売に大切な顧客リストを騙されて奪われてしまう。
その上有りもしない虚偽をでっち上げられ婚約を解消。父の経営する宝飾店は経営の危機に晒され、しかもお腹には赤ちゃんが…………。
悔しさと、情けなさで死をも覚悟するが友人からの勧めで『相談窓口』に秘密の手段で連絡を取ることに。
薄暗い理科の研究棟に行けば、そこには王弟殿下の落とし胤と言われているミランダ・ポルトゥナート伯爵令嬢が居た。
淡い赤髪に、マンダリンガーネットの瞳。
そして煙草。
『相談料?お金なんて要らないわ。貴女が知っている情報を全て教えて?それが私が一番欲しいものなの。』
果たしてミランダはダーナを助けてくれるのか?
大人になりきれない、子供でもない貴族学園の非日常。
ミランダ・ポルトゥナートは彼女達の悩みを果たして解決してくれるのか?
モダモダした案件をミランダが何となく着地点を指し示してくれる…そんな数話ずつで完結する物語。
レビュー