助けてくださいと乞われたので隣国まで足を運ぶことになりました。

エマニュエルとマグダレーナは政略結婚だ。
そこに燃えるような恋はない。
けれどお互いにお互いを認め合い、受け入れ、築き上げてきた信頼と親愛は確かにそこにある。
幼いころからの付き合いでお互いの人となりは十分に理解していたし、至らぬところは互いに補い合い成長していこうと固く誓っていた。
けれど二週間前のお茶会を切っ掛けにエマニュエルは変わってしまい、それに引きずられるようにマグダレーナの中の気持ちにも変化があった。

この変化に気づきじっくりと考える暇もなく、エマニュエルたちの留学のための準備は進む。
お互いの変化は果たしてどのような結果をもたらすのか、それは彼らのこれからの一年次第。
泣いても笑っても、一年後には二人の人生が決まってしまう。

どうかそれが悪いものではありませんようにと祈りを胸に、マグダレーナは住み慣れた故郷の屋敷を出るのだった。

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