君だけに……と貴方は言った

 子爵令嬢のケイトリンは学園の卒業間近のある日、婚約者のダニエルから大切な話があると言われる。
 二年前にダニエルととある男爵令嬢の逢瀬を目撃していたケイトリンは、ついに婚約破棄されるのだと覚悟した。
 所詮平民出身のエセ子爵令嬢である自分と侯爵家の嫡男の婚約なんて無理があったのだ。
 というか、最初からこの婚約が履行されることは無いと、ケイトリンは分かっていたのだ。そもそもこの婚約はカモフラージュだったのだから。
 なかなか肝心な話を言い出さないダニエルに、ケイトリアンの方が痺れを切らして婚約解消を申し出た。
 しかしその後、人が変わったかように饒舌になったダニエルとのやり取りによって、ケイトリンの長年抱いていたモヤモヤが少しずつ霧散していったのだった。

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