仕事をぶっちした俺は壊れテンションのまま最下層を目指した。深淵帰りの穴掘り探索者、迷宮を直下掘りして無事バズる。ダンジョンの奥には邪神が蠢いてるけど、俺のスコップなら一撃なんだよね

著者:千八軒

斎藤アサヒは限界だった。ブラック企業を辞めよう。
そう思ったと同時に、ダンジョン探索者に戻る事を決意する。彼は5年前、深層のそのまた向こう深淵(アビス)層と呼ばれる場所を攻略する迷宮探索者だった。

引退して3年。時代は変わり今の迷宮探索者はイコール迷宮配信者だ。
慣れない配信に戸惑いながら舞い戻る。新人かと視聴者が見守る中、アサヒは手にしたスコップでダンジョンの床を掘りだした。圧倒的な速度で掘り進んでいる最中、掘り抜きついでに巨大な迷宮魔物を一撃のもとに葬り去り、美少女配信者を助けたことで、拡散されていくアサヒの初配信。

彼はひたすら掘り続けた。そして深層の迷宮核への扉を開き、迷宮の主を打ち倒した時には取り返しがつかないほどにバズり散らかしていたのだった。

「いや……、これくらい5年前なら普通……」

彼は知らなかった。探索者の常識は昔と大きく変わっていたことを。
だが、やるべきことは変わらない。深淵に戻ろう。あそこには、名状しがたきヤツラがいる――。

これは深淵挑む、若き探索者たちの記録だ。

カクヨムおよび、ノベルピアでも併載しています。カクヨムが先行投稿になります。

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