「彼女の筆箱を壊したことを、君に謝って欲しい」
王太子ラディス・ゼフィリアはそう言って、自身の婚約者である公爵令嬢ガーネット・トリンクロウに謝罪を求める。筆箱を壊されたのは男爵令嬢ルナリス・バーマイマー。
貴族たちは王太子が男爵令嬢を見初めたのか、と愕然とする。だが公爵令嬢は謝罪せず、果敢に反論する。
その反論によって趨勢が決まった時、公爵令嬢は新たな幸福を得ることになる。そして、誰かが言った。「私は真実の愛を見た」と。
ありきたりの婚約破棄と、ありきたりの弾劾と、それに伴う必然的な結末。
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私は真実の愛を見た、と令嬢は言った
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