先読み神子の嫁入り〜嫌われ巫女は妖狐に望まれる〜

時は大正時代。
とある長閑な漁師町に、双子の巫女がいた。

吉相を占い、明るい未来を予知する姉のキッカ。
凶相を占い、不幸な未来を予知する妹のキョウカ。

双子の性格も極端に陰陽で分かれており、村人達は社交的で明るい姉をとても敬い慕っていた。

キッカには許嫁がいたが、十八歳を迎える前にキョウカがした占いにより、二人の婚約は破棄される。

『……先読みの神子を雲上家に嫁がさなければ、この町は破滅の道へ向かうだろう』

雲上家は、新華族の一門。
最近代替わりをし、容姿端麗な若者が後を継いだという。

それを聞いたキッカは目元に袖を当て、俯きながら宣言した。

「キョウカはあの通り、呪われた子だもの。万が一キョウカを嫁がせれば、きっとこの町に不幸が起きる。それをわかっていて、キョウカを嫁がせる訳にはいかないわ」

そうして雲上家へと嫁入りすることを決めたのだが──?

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