皆の為に破滅を望んだ悪役令嬢は、突如現れたニンジャに救われるようです。

 侯爵令嬢ミスティカは、今まさに王太子殿下に自ら婚約破棄を突きつけていた。

「だって貴方、退屈なんですもの」

 ミスティカが殿下を庇い体に怪我を負った過去の事件から、どれだけ悪様に言われても、自分との婚約を解消しない誠実なカーシィ王太子殿下。
 王太子殿下と両片想いだった心優しい親友、スウィとの間に割り込んでしまった自分に、ミスティカは耐えられなかった。

 どうしようもない状況に業を煮やした末の、捨て身の作戦。

 皆の前で王太子殿下に対して最悪の不敬を働き、婚約を破棄させようとした……正にその瞬間。

「ニンニン。どうも、ミスチカ・サン」
「……どうも」

 珍妙な言葉と共に現れたのは、東方の伝説に登場するニンジャ!?

「それがし、そなたの悪辣さ、堂々とした立ち振る舞いに心を奪われたでござる! そのお命、是非お預かりしたく!」
「は?」

 そうしてミスティカは、ニンジャに誘拐された。

 夜会の場は騒然とし、その後王太子殿下主導の下、必死の捜索が開始される。
 逆に誘拐されたミスティカは乱暴を働かれるでもなく、ニンジャと並んで縁側で緑茶を飲むことに。

 自ら破滅し婚約破棄する筈だったのに、何故こんなことになっているのだろう。

 たった一人のニンジャが、悲劇の悪役令嬢を最悪の結末から救い出す異世界恋愛譚、開幕。
 
 ハッピーエンドです。
 

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー