成金令嬢のペット

ザインバル王国では、獣人族と人族……この二つの種族が共存して暮らしていた。

僕、セシル・シェーベリは、狼獣人と人族の混血である。
対する婚約者のアビゲイルは、純血の人族だった。

二人の婚約のきっかけは、アビゲイルが僕の尻尾の手触りを気に入ったこと。
それでも、仲睦まじい関係を築いていたのに……。

高等部に入ってからのアビゲイルは、様々な店へと僕を連れ回すようになっていた。

「セシルに似合う靴を見つけたのよ!」
「話題のデザイナーに、セシルの服を作ってもらいましょう!」
「限定販売の懐中時計をセシルのために予約しておいたわ!」

そんなことを言っては、次から次へと僕に高級品を買い与える。
僕がいくら断ろうとしても、彼女は決して引き下がらない。

「お金ならあるんだから!」

そう言って、全てを押し通してしまう。

いつの間にか、「成金令嬢のペット」だと周りから揶揄されるようになってしまった。

そんな時、アビゲイルには他に恋人がいるのだと、クラスメイトから告げられて……?

※氷雨そら先生主催「モフモフヒーロー小説企画」の参加作品です

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー