こんなはずじゃなかったのに

妹が私を蔑む。
「お姉様が苦労するから、どんなに大変かと思っていましたのに。こんな簡単なことに苦労なさるなんて」
学園の成績が常に一位の妹は、学園に通い出した途端に私を馬鹿にし始めた。

妹は遥かに出来が良い。
少なくとも、苦労を重ねる私の倍以上だ。
飛び級して学園を卒業し、この国の特殊で高度な企業に就職した。

幼い時は仲が良かった二人は、大人に向かうにつれて離れていく。

妹は科学者になった。
勤務場所は街から離れ人里からも遠い場所で、白い壁に囲まれた3階建ての棟だった。
上司に評価されて、すぐ肩書きが上がっていく妹。

妹は人類を助けるであろう研究を続けていた。

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