白い結婚を申し込まれた令嬢が冷静に補償を要求するお話

「僕には愛する人がいる。君のことを愛することはできない。今回の婚姻は、白い結婚とさせてくれないか」
「それは契約違反です」
「け、契約違反だって?」
「そちらの都合で契約内容を変更するのですから、こちらには正当な補償を要求する権利があります」

初夜の寝室で『白い結婚』の申し出が告げられた。
しかし子爵令嬢シィンセリアは悲嘆に暮れることは無く、怒りに燃えることもなかった。落ち着いた態度で求めたのは、契約違反に対する補償だった。

シィンセリアの求めた補償は、領地の一部割譲や鉱山の利権など、非常に重いものだった。
難色を示す伯爵子息アンウィーズに対し、シィンセリアは挑発的な言葉を投げかける。

「あなたが本当に想い人を愛しているなら、できるはずです」

果たしてこの『白い結婚』はどうなってしまうのか。
子爵令嬢シィンセリアが本当に求めていたものとは?

※2024/5/6 短編の日間総合ランキングで5位になりました! ありがとうございます!
※2024/5/7 短編の日間総合ランキングで1位になりました! まさか1位になれるなんて思っていませんでした……本当にありがとうございます!

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