雑用係兼支援術師はパーティー追放に憧れる ~世間は追放ブームなのに、俺を過大評価するパーティーメンバーたちが決して手放そうとしてくれない~

著者:としぞう

世界各地に存在する地下迷宮『ダンジョン』。
その最奥部には、まだ誰も見たことのない富、名誉、栄光が眠っているという。

その存在は多くの者に一攫千金の夢を抱かせ、冒険者を生み出した。
そして、ダンジョン攻略において複数人で“パーティー”を結成して臨むことが主流となりつつある昨今、とあるブームが冒険者界隈を席巻していた。

それは“アタッカー至上主義”。
前衛職とも呼ばれる、ダンジョンに巣くう魔物と直接戦う冒険者こそ正義であり、サポーター――後衛職とも呼ばれる者達は怠惰で不要な存在だと。

アタッカー至上主義は苛烈を極め、やがて取り分確保などの理由から、“サポーターをパーティーから追放する”という流れへと発展していく。

モノグという男もまた、ダンジョン攻略を目指す冒険者、サポーターの1人だ。
決して勤勉ではない、“ものぐさ”などと称される部類の人間であるが、支援魔術を扱う“支援術師”としてはそれなりの実力者である。

彼は“ストームブレイカー”という冒険者パーティーに所属していて、他のメンバーは全員アタッカー。

ストームブレイカーのリーダー、神速の双剣使いであるレイン。
破壊力に定評のある氷結系攻撃魔術の使い手、スノウ。
正確性と速射能力に長けた弓使い、サニィ。
小柄ながら自身の身長ほどもある剣を軽やかに扱う大剣士、サンドラ

全員が全員、他の冒険者たちからも注目を集める資質の持ち主だ。
しかも、リーダーであるレインに他の3人が惚れているという状態でもある。

そんな環境下で、彼はサポーターとしてだけでなく、細々とした雑用も引き受けることでなんとか存在感を出していたが、次第にその忙しさに疲れを感じ始め、他の冒険者達から陰口を受けていたことも後押しし、いつしか「パーティー追放された方がいいんじゃないか?」と考え始めるようになった。

しかし、当のパーティーメンバー達は追放しようなどとは全く思ってはいないどころか……

これはダンジョンの最奥を目指し、日々攻略に励む冒険者たちが様々な思いを胸に、立ちはだかる困難を乗り越えていく物語である。

※ジャスト30000文字の短編でしたが、各話完結形式で話を追加していきます。カクヨムにも投稿中。
※2020/6/20-21 日間総合1位、2020/6/24 週間総合3位になりました。応援いただきありがとうございます!

雑用係兼支援術師はパーティー追放に憧れる ~世間は追放ブームなのに、俺を過大評価するパーティーメンバーたちが決して手放そうとしてくれない~のページへ

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー