ワニの涙に味はない

 高校三年の春。
 空涙症候群を患う屋上女子、石動もなかの前に現れたのは、転校生の鬼頭政宗だった。
 政宗の勘違いが原因で、最悪の出会いを遂げた二人だったが……その勘違いを招いた張本人であり、もなかの親友、三井楓香のとりなしによって二人の距離感は徐々に縮まっていく。
 しかし彼を知っていくうちに、もなかはある違和感を覚え始め……それが何であるかを考え始めるのだが、その矢先、政宗に関することで楓香と酷く仲違いを起こしてしまう。
 もなかは、なんとか仲直りしようとタイミングを見計らうものの……突如として起きた未曾有の災害により、もはや叶わぬことに……。
 さらに災害の日を境に、もなかはある異変を体に感じ始め……ある日、とうとうそれを政宗に打ち明けるのだが、このとき彼の口から出た言葉は、予想だにせぬ衝撃的な真実の数々であった。
 政宗の隠していた真実、楓香がとった態度の真意、ある異変の正体とは……?
 これら全てが明かされた時、学校全体を巻き込む壮大なエピソードが幕を開けるーー

レビュー