大樹のこころを聴かせて

結婚に夢見る女子高生、冬室涼音(ふゆむろすずね)は16歳の誕生日に突然謎の和服の男たちに誘拐されてしまう。
涼音が連れて来られたのは、どこかの山奥にある大きな里。
その最奥にある大屋敷のさらに奥の部屋、涼音を待ち構えていたのは、
この里に住む特殊能力者たち「道壱(どういつ)一族」の長だという青道縹悟(せいどうひょうご)という男だった。
涼音は彼女の母親が道壱一族の最も濃い血を引いていることを説明され、
その血を残すために、親子ほども年の離れた縹悟と結婚するように迫られる。
父親の事故死の真相を知らされ、自分を育ててくれた祖父母の命を天秤にかけられて、
涼音は降って湧いた望まない結婚を承諾するしかなくなった。
ロマンもなにもない儀礼まみれの結婚式と初夜を超えて、
一族の長の妻として扱われるようになった涼音には、四人の相談役の青年たちがあてがわれた。
快く相談に乗りつつ青道家の人間である縹悟を敵視する赤道家の蘇芳(すおう)。
飄々とした態度で涼音をからかって楽しむ黄道家の晃麒(こうき)。
涼音に不思議な言葉を投げかけて真意の読めない行動の多い黒道家の鳶雄(とびお)。
この里から逃がしてやろうかと甘言を囁いてくる白道家の練(れん)。
青年たちに翻弄されながらも、涼音は納得できない結婚をどうにかして受け入れようと行動し始める。
縹悟はどうして涼音にこだわるのか。道壱一族の涼音を取り巻く思惑とは。涼音にも一族の特殊能力が備わっているのか。
そして、涼音は縹悟と真の愛を育むことができるのか。
閉じられた里の中で、謎めきながら繰り広げられる、政略結婚から始まる現代恋愛ファンタジー。

3/21から乙女チック原作コン期間中、週6ペース(金曜日お休み)で18時03分に更新予定!

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