あなたのための私は、もう居ない。【書籍化・コミカライズ決定】

レビュー(1件)
著者:華宮ルキ

◇書籍化・コミカライズが決定いたしました! 出版社・レーベル・発売時期などは随時公開していきます!

――あなたは私を捨てた。だから、もうあなたのための私はいない。

フォルジュ王国にある名門侯爵家エルヴェシウス家の令嬢ジゼルは、幼少期から「いずれは王太子妃となり、王妃となれ」と親から言い聞かせられてきた。そして、厳しい淑女教育を課せられてきた。
その結果、王太子バティストの婚約者に選ばれる。

しかし、それから何年たってもバティストはジゼルと婚姻関係を結ぼうとはしなかった。

さすがにおかしい。そう思った25歳のある日――ジゼルはバティストがほかの令嬢と親しげに口づけをしている光景を目にした。

それにショックを受けたジゼルに度重なる不幸が訪れる。
なんと、バティストはかの令嬢キトリーと結婚するために、ジゼルとの婚約を解消したのだ。
挙句、婚約解消された日の夜。ジゼルはバティストが寄越した刺客によって殺されてしまう。

死の間際。今度は後悔のない人生を送りたいと願ったためなのか、ジゼルはバティストとの婚約関係が成立する前に逆行転生する。

だから、ジゼルは決めた。

――今度は自由奔放に、好きなことをやって生きていく、と。

これは自由に生きたい元気娘(二度目の人生)とそんな彼女を見守る王弟殿下の、いずれ溺愛になるお話。

◇日刊ランキングジャンル別(異世界恋愛) 最高4位ありがとうございます!
◇日刊ランキング総合 最高4位ありがとうございます♡

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◇掲載先→アルファポリス、エブリスタ、小説家になろう
※作者は略称として「あないな」とこの作品を呼んでおります。

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レビュー

  1. おちかつ より:

    フォルジュ王国の侯爵令嬢ジゼル・エルヴェシウスは「淑女の中の淑女」あるいは「冷徹な華」とあだ名されており、齢十七で王太子バティスト・ラ・フォルジュの婚約者となったが、二十五歳になるまで婚姻に至らず、それどころかジゼルはパティストが伯爵令嬢キトリー・ルモワーヌと唇を重ねていたところを目撃してしまったことで婚約解消となった上に自宅に幽閉されただけでなく、パティストが送り込んだ刺客により殺されてしまったのだった――から一転、目が覚めたら七年前の婚約者を決めるパーティの開催一週間前に戻っていた――が序盤のストーリーという、タイムリープの要素が組み込まれた話です。

    通常のタイムリープものと異なるのは、娘を持ち駒としているジゼルの両親は王太子バティストとの婚約を強く望んでおり、それ以外の道は考えられない、味方になりそうなのは侍女で近いうちに窃盗の濡れ衣を着せられ解雇されるマリーズくらいしかおらず――と主人公を追い込むだけ追い込んだ上でどうしていくのか、『二度目のパーティ』はどのようにして乗り切るのか、王太子バティストそしてキトリーは腹の中で何を考えているのかという、読み手をうまく引きつける工夫がなされているのが分かります。

    また、タイトルからも分かるように、今までのジゼルは自己肯定感が低く、両親、特に母親の操り人形だったが、そうはさせないという、毒親からの脱却の話でもあるとともに、なぜ王太子バティストはジゼルを殺さなければならなかったのかという謎を呈示し、偽装の婚約関係を結んだ王弟エヴァリストを不可解な人物として描くことで読み手の興味を引かんとしているのが分かります。