婚約者が入学式の代表挨拶でやらかしました

著者:たなか

「……歴史ある本学園の生徒であるという自覚を欠かさず、一つ一つの行動に責任を持ち、自立した学園生活を送るよう心がけて下さい」

 はあ……安心しました。婚約者のアラン第一王子殿下が新入生歓迎挨拶をなさると聞いてヒヤヒヤしていましたが、私の心配しすぎだったようです。さすが、未来の王太子というべき見事なスピーチでした。

「ところで、私事で恐縮ですが……」

 ……幻聴でしょうか。新入生代表挨拶に私事なんて必要ありませんよ! 何だか嫌な予感がして途端に胃が重たくなりました……

「皆様ご存知の通り、私、アラン第一王子の婚約者であるイザベラ公爵令嬢も本日からこの学園の生徒となります。そして、至極当然ですが、私は心の底から彼女を愛しています!」

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