未来で冷遇妃になるはずなのに、なんだか様子がおかしいのですが…

グリドール国第二王女ローズは、生まれながらに両親から疎まれていた。美しい父と母に似ても似つかない平凡な容姿で生まれたからだ。そんなある日、十七歳の誕生日をむかえたローズは不思議な夢を見る。それは十年後の未来の夢で、その夢を見た直後、今後十年分の未来の記憶がローズの脳裏を駆け巡った。自分は過去に戻ってしまったのか、それともただの夢だったのか。不思議に思うローズのもとに、国王からの遣いが王の命令を持って来た。曰く、姉のレア王女とともに、プリンセス・レア号に乗船しとのこと。
待って、その未来知ってる。ローズは青くなった。
何故ならそのプリンセス・レア号で、姉のレアは失踪し、姉の代わりにローズはマルタン大国のラファエル王太子に嫁ぐことになるのだ。そして、その先ローズを待っているのは、夫から一顧だにされない冷遇妃の未来……。
そんな未来、冗談じゃない。ローズは夢に見た未来を回避するため、決意を固めて豪華客船に乗船する。

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