時刻は午後1時を少し回った頃。
場所は高級料亭の個室。
席料も取られたし、1万円の懐石料理が
途中まで出されたところ。
「なんでお前が来たのか説明願おうか…?」
「は?それがわざわざお着物着て、正座までしてあげてる幼馴染に対して言うセリフ?
ちょっとは労いなさいよ」
「どんな風に労えばいいのかお教え願おうか…?」
「…バカね。例えばそうね…。
足を崩してもいいんだぜ。痛いだろ?
痺れたら大変だろう…とかかしら?」
「なるほど。足を崩してもいいんだぜ。
痛いだろ。無理すんなよ…」
「全くもって、棒読みでダメね。
なってないわ。そんなんじゃダメ。
もっと私に優しくしなさいっ!」
「は?優しくできるわけねぇだろ…。
学生時代、
お前には散々振られて、こっちはメンタルズタボロにされたわけよ。振り返ってみせよう…」
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