勇者パーティの汚れ役、正義厨にリストラされる。俺が抜けたら世間知らずのボンボンしか残らんけど、もう知らん。……と思った矢先に騙し討ちにされたので『盗賊』として反撃してやる

盗賊ドゥは勇者パーティの汚れ役だった。彼は国王からの密命により、非合法な手段で旅を陰から支えていた。

だが仲間たちがドゥの汚れ仕事に理解を示すことはなかった。ドゥは糾弾され、女勇者の弁護も虚しくパーティを追放されることになってしまう。
あまつさえ、国から支払われたはずの報酬は既に没収され、懸賞金まで懸けられていた。

盗賊ドゥは己を陥れた者たちへの報復を始めた。盗まれたら盗み返す。それが盗賊の流儀で、盗賊は富める者の天敵だった。

一方、盗賊ドゥの離脱は勇者パーティを早々に破綻させていた。ダンジョンの罠という罠が彼らに襲いかかり、施錠された宝箱は開封を拒む。裏から全てのお膳立てをしていた存在を失い、パーティはツキに見放されていった。

「だから言ったじゃないか!」

女勇者はドゥとの和解を提案するが、仲間たちはただ破滅に向かって突き進むばかりだった……。

※1日2話更新。1話平均2500字。戦うのではなく、盗むことでスマートに目的を達成します。

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