悪役にされた冷徹令嬢は腹黒王太子を守りたい〜やり直し人生で心の声を伝えるようにしたら溺愛され始めた様子〜

「淑女たるもの完璧であれ」

 幼い頃からそう言われて育ってきた公爵令嬢レセリカ・ベッドフォードは断頭台に向かっていた。
 有能すぎるがゆえに全てを一人で背負い込み、必死であらゆることを頑張ってきたレセリカだったが、それが逆に彼女から人を遠ざけた。
 冷静で、物事を深く鋭く見通せてしまう彼女は冷徹令嬢と呼ばれ、孤立していったのだ。

 そして今、気付けば無実の罪で処刑されようとしている。婚約者である王太子を暗殺した、として。
 レセリカは最期に祈った。「神よ、どうか慈悲を」と。

 首を落とされたかに思えた次の瞬間、レセリカは7歳の頃に戻っていた。
 しかも、ずっと後悔し続けていた子どもの頃の出来事が目の前で起きている。

 混乱しながらも、持ち前の冷静な分析力で現状を把握し、レセリカは決意する。

(もうあんな思いは嫌。泣きたい。苦しいと言いたい。助けてと言いたい……!)

 処刑なんてされたくない。そのためには王太子暗殺を阻止しなければ。
 その第一歩として、まずは自分の意見をちゃんと伝えていこうとレセリカは決意する。

「たとえ今度はワガママ令嬢と言われても。私は変わらないといけないわ」

 そう覚悟をしていたのに、どうしたことかレセリカは気付けば色んな人から溺愛され始めていく。

 ……意思を伝えること=ワガママだと思っているレセリカは、人に頼ることに不慣れであった。

 断罪の運命はどうなったのか? 王太子暗殺事件は? レセリカは幸せを掴めるのか?

 悪役にされて悲しい運命を辿るはずだった令嬢は、やり直し人生で愛され令嬢の道を歩み始めたのだった。

※カクヨムでも連載中です。第7回カクヨムコンにエントリーしています。

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